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UP DATE2021.03.09

不動産売買の持ち回り契約とは?メリットと注意点について解説


不動産売買契約では契約締結日に売主と買主、仲介業者である不動産会社などの当事者が集まることが必須ですが、何らかの事情で契約締結日に立ち会うことができない場合はどうしたらいいのでしょうか?
ここでは、そんなときの手段のひとつである「持ち回り契約」について詳しく解説しています。
 

持ち回り契約ってなに?

持ち回り契約とは、不動産売買契約において契約締結日に売主と買主双方、またはどちらかが立ち会うことができない場合に、仲介業者である不動産会社が双方へ足を運び契約書に記名押印をもらう方法です。
その後、規定期日までに買主が手付金を支払ったら契約締結が完了となります。
 
売主買主のどちらかか遠方に住んでいる場合は、郵送で行うことも可能です。
 

持ち回り契約の手順

①仲介業者である不動産会社が物件の調査を行い、売買契約書や重要事項説明書などの各種契約書面を作成します。

②不動産会社が買主のもとに出向いて契約書等の説明をし、問題がなければ記名押印をもらいます。

③次に、売主の元に出向いて契約書等の説明をし、問題がなければ記名押印してもらいます。

④契約書に双方が記名押印したことを確認後、買主が手付金を支払います。

⑤売主が手付金を受領したら、売買契約完了です。
 
※②と③は反対でもOKです。
 
買主の手付金の支払い方法は、以下の二つの方法があります。
●②のときに不動産会社が買主から手付金を預かって預かり証を発行し、③のときにその手付金を売主に渡して領収証をもらい、後日預かり証と領収証を交換する方法。
●契約書に双方の記名押印が確認できた日に、買主が手付金を振り込む方法。
 

どんなときに使う?

買主売主ともに不動産売買の契約締結はとても重要なことなので、契約締結日にはできるだけ立ち会いたいものですが、以下のような何らかの事情で立会いが難しい場合に持ち回り契約をすることになります。
 
売主買主双方もしくはどちらか一方が
・忙しい
・遠方に住んでいる
・顔を合わせたくない
 

持ち回り契約のメリット

●スケジュールの調整がしやすい
契約日に出向かなくても、都合のよい日時に不動産会社がきてくれるので手間や時間が省けて楽ちんです。
 
●コスト削減
遠方に住んでいる場合は、交通費や移動時間などのコストがかかりません。
また、時間の有効的な活用ができます。
 

持ち回り契約の注意点

持ち回り契約をする場合には、以下の点に注意して行いましょう。
 
●当事者の合意で有効となる
売主買主双方が持ち回り契約の意味を共有、理解して合意している場合に有効となります。
 
●契約内容の認識のズレが生じる可能性がある
契約書についての内容や申し送り事項の確認をその場ですぐにできないなど、契約内容においての認識のズレが生じる可能性があります。
 
●手付金のタイムラグ
持ち回り契約の手付金の支払い方法は先述の通り二つありますが、直接売主に渡せないためタイムラグが生じます。
不動産会社に手付金を預けるときは、領収証と差し替えるための預かり証を必ずもらいましょう。
 
●余計な時間がかかる可能性がある
契約内容の不明点など相手方に確認する必要が生じた場合には、仲介役の不動産会社が間に入ってやり取りすることになり、時間が余計にかかる可能性があります。
 
●信頼できる不動産会社に依頼する
売主買主ともにお互い顔を見ずに契約するということは詐欺に合う可能性が高くなるため、仲介に入る不動産会社に頼るところが多くなります。
そのため、やむを得ず持ち回り契約をする場合は、信頼できる不動産会社に頼みましょう。
 

コロナ禍で持ち回り契約が増加

不動産売買の契約締結日に立ち会えない場合、持ち回り契約は大変便利ですが、注意しないと予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性は否めません。
しかし、近年新型コロナウイルスの蔓延により、持ち回り契約が増えているのが現実なので、持ち回り契約の注意すべきポイントをしっかりと理解してから利用するようにしましょう。
 
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