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UP DATE2021.03.18

通常の不動産売買とは異なる農地法に基づく農地転用の農地売却とは?


農地の売買は、通常の宅地などの土地売買とは異なる手続きが必要です。
農地の取引は法律によって制限があり、ルールや条件を満たさなければ売買できません。
 
ここでは、農地法に基づく農地売却について詳しく解説しています。
 

そもそも農地法とは?

農地法とは、耕作目的の田んぼや畑などの農地の所有や、利用関係の基本的な仕組みを定めた法律であり、耕作者の地位の安定と、農業生産力の増進を図ることを目的として戦後に制定されました。
 
農地は国民の食糧自給に欠かせないものとして農地法で保護されているのです。
農作物を生み出す農地が減少したら、国の自給率が下がってしまいますからね。
よって農地を売却するには、農地法に基づいた許可や届け出が必要なのです。
 

農地売却の方法は2種類!

農地を売却する場合は、地域の農業委員会の許可を得た農業従事者に限られ、購入者もまた農業従事者に限られます。
また、農業委員会に売買の申請を出さなければならず、その許可がない場合には売買は無効となります。
 
農地売却の方法は、「農地のまま売却する」方法と「農地を転用して売却する」方法があります。
 

農地のまま売却する場合

農地を農地のままを売却する場合、購入者になるには以下の条件が必要です。
 
・農業を営む者である
・農業に必要な機器を所有している
・適正な人数が農業に従事している
・常時全ての土地を使用している
・現在の耕作面積が50a以上である
 
以上のように、農地を農地のまま売却するには購入者がかなり限られるため、なかなか売却先が見つからないことが多いのが現状です。
 

農地を転用して売却する場合

農地を農地以外の目的のための土地として転用して売却する場合には、保有する農地の立地(立地基準)と転用後のルール(一般基準)をクリアしなければなりません。
 
転用許可を申請すると現地確認や書類のチェックが行われ、農業委員会の許可が下りたら農地を転用して売却可能となります。
 
●立地基準
農地の区分である立地基準により転用できるか否かが決まります。
 
・農用地区域内農地:原則不許可
・甲種農地:原則不許可
・第一種農地:原則不許可ですが、公共性の高い事業に転用するなどの条件で緩和あり
・第二種農地:周辺の他の土地が転用できない場合などに許可
・第三種農地:原則許可
 
●一般基準
転用後にきちんと利用できるかどうかを判断する条件です。
 
・資力及び信用があると認められていること
・転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意があること
・行政庁の許認可等の処分の見込みがあること
・遅滞なく転用目的に供すると認められること
・農地転用面積が転用目的からみて適正と認められること
・周辺農地にかかわる営農条件に支障を生ずる恐れのないこと
・農業用用排水施設の有する機能に支障を生ずる恐れのないこと
・土砂の流出、崩落等災害を発生させる恐れのないこと
 

農地を転用して売却する手順

農地を転用して売却する場合、農業委員会の許可を得るために申請しなければなりません。
転用の主体は買主なので、売主買主ともに申請者となります。
 
申請後、農業委員会の許可指令書が交付されるまで買主の所有権の移転はできませんが、将来確実に所有権の移転ができることを保全するための仮登記を行うのが一般的です。
つまり、許可指令書がなければ本登記である所有権移転登記は受け付けてもらえないのです。
 

農地転用時の売却手順

①不動産会社に売却を依頼
農地売買に強い不動産会社を選びましょう。

②条件付き売買契約を締結
農業委員会の許可を条件とした売買契約を結びます。

③農地転用許可申請をする
市区町村役場において農業委員会に農地転用許可申請を行います。

④所有権移転登記の仮登記を行う
農地転用の許可が下りるまでの間に他の人に売買しないことを約束し、許可後に確実に所有権を移転登記するという仮登記を行います。

⑤売買代金の支払いと本登記
農業委員会からの許可後に、買主は決済を行い売主は引き渡しを行います。
ここで速やかに買主は所有権の移転登記(本登記)を行い、取引は完了します。
 

農地は転用すると売却しやすい

農業の需要の減少や農業従事者の高齢化が進んでいる現在、全体的に農地価格は下落傾向にあります。
よって農地を売却したい場合、農地転用の二つの基準をクリアできる農地ならば、地目変更を視野に入れて売却を検討しましょう。
 
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