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UP DATE2020.12.21
建物の価値は計算で算出できる!計算式と具体例を紹介
建物の価値は築年数に比例して下がり、一般的に一戸建て住宅は20年ほどで価値が0円になると言われています。
経年による影響がない土地と比べて老朽化してしまう建物は、税法上価値がある年数が定められているのです。
ここでは、建物の価値について不動産業界ではどのように算出されているのか、具体例を踏まえて紹介しましょう。
建物の価値の算出方法
同じ年数が経過しても建物の構造や立地、環境によって劣化具合に差が出るため、建物の価値も変わってきます。
そこで、客観的な建物の価値を計算で求める方法があるのです。
法定耐用年数
国税庁は、”資産が価値を保ち続ける寿命”である「耐用年数」を定めており、築年数から平等に価値を算出するために用いられています。
耐用年数とは正式には法定耐用年数といい、法定耐用年数が過ぎると実際の機能にかかわらず税務上の資産価値が0になるという考えです。
計算方法
現在の時点で建物を新築した場合にかかる価格である再調達価格から、建物が建築された経過年数を考慮した減価額を控除して建物価格を求めます。
【計算式】
建物価格=再調達価格-減価額
再調達価格=延べ床面積×再調達単価
減価額=(再調達価格÷耐用年数)×築年数
【再調達単価と法定耐用年数】
構造 | 再調達単価(1平米あたり) | 法定耐用年数 |
---|---|---|
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) RC造(鉄筋コンクリート) |
16~19万円 | 47年 |
S造(鉄骨) | 13~16万円 | 34年 |
軽量鉄骨 | 10~14万円 | 27年 |
木造 | 10~14万円 | 22年 |
具体例を参考に算出してみよう!
上記算出方法を使って、具体的に建物の価値を算出してみましょう。
【床面積100㎡、築10年の木造建物の場合】
再調達価格:延べ床面積100㎡×再調達単価14万円=1400万円
↓
減価額:(再調達価格1400万円÷耐用年数22年)×築年数10年=630万円
↓
建物価格:再調達価格1400万円-減価額630万円=770万円
【床面積180㎡、築20年の鉄筋コンクリート建物の場合】
再調達価格:延べ床面積180㎡×再調達単価19万円=2520万円
↓
減価額:(再調達価格2520万円÷耐用年数47年)×築年数20年=1070万円
↓
建物価格:再調達価格2520万円-減価額1070万円=1470万円
建物の価値は築年数と構造によって決まる
新築建物は購入した瞬間に中古住宅になり、土地と異なり建物の価値は年数と共にダイナミックに下がっていきます。
実際にはまだ居住できる価値があるにもかかわらず、耐用年数を過ぎたら0円の価値の古家として扱われ、査定金額に反映されにくいのです。
その中でも木造と鉄筋の耐用年数は倍以上異なり、建物の構造によっても価値は大きく異なることがわかりますね。
ただし、リフォームやリノベーションを施した建物は価値が高まる可能性があることや、耐震補強や建物の基礎・躯体などの劣化対策、省エネ対策やバリアフリー対策などの付加価値がある場合も高い価値がつく傾向があります。
だからといって売却前にリフォームをしたとしても、そのリフォーム代金をカバーできるほどの価値がつくとは限らないので注意しましょう。
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